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小林よしのり
2022.6.5 08:44政治

「一枚岩」である必要はない

コロナ禍を終わらせるのに、「一枚岩」である必要はない。
それこそ「世間教」の信者であり、法治国家を否定する
愚民の群れに埋没してしまう。

感染経路の問題で、宮沢孝幸氏と倉田真由美氏は
飛沫感染かエアロゾル感染であり、倉田氏が
緊急事態条項に反対であることが、はっきりした。
とても良いことだ。

コロナ禍を終わらせるには、第一に厚労省が新コロを
インフルエンザと同等の5類に落とすことであるが、
ワクチンの在庫処理をしたがっているから、
それができない。
ならば日本人が「世間教」を脱して、「個人」として
マスクを外せばいいのだが、世界の中で日本人だけが
「個」がないから、それもできない。

コロナ禍は間違った専門家と、それを信じた政府と、
煽ったマスコミ、「個」のない日本人が結託して
作り上げたインフォデミックである。

昨日の「オドレら」の議論が根本原因に到達しなかったのは、
時間が足りなかったからしょうがない。
10時間、議論してもいいのだが、宮沢氏が議論に
耐えられないのは明白である。
激昂して、ブチ切れて、退出しようとして、止める中川氏が
突き飛ばされて、事故になり得る危険な状況にまで
なったのに、謝罪もしない宮沢氏をこれ以上、
甘やかしていていいのかどうか疑問である。

議論が出来ないなら、しょうがない。
わしは「個人主義」であり、権威も世間も信じないから、
飛沫感染もエアロゾル感染も信じておらず、したがって
マスクは必要ないという結論である。
糞口感染という井上正康氏の主張に納得している。
その井上氏は大同団結派だから、宮沢氏を懐柔しようと
するが甘やかしにならないか?

井上氏は優しい大人だが、「世間」を作る人であり、
肝心要の科学的論点が曖昧になる危険性がある。
将来のパンデミックに備えるためには、議論ができない
人とは、袂を分かって、科学的真実を堂々と主張し、
大衆を説得した方がいい。
それが「公」のための態度である。

マスクが要らないのは、ウイルスの「量」が
原因ではない。
空気感染ではなく、スマホの表面にウイルスが
28日間、生息しており、毎日毎日、雪のように
降り積もっていて、1日何百回も「接触」し、
電話してウイルスを吸入し、口内の擦過傷や
歯周病の歯茎から血中に入るからだ。
これが「常識人」としてのわしが、「科学」を
学んだ上で出した結論であり、今後は啓蒙活動に入る。

パンデミック条約に関しては、基本的人権が保証
されている憲法上、出来ないのではないかと思うのだが、
これは勉強してみる。

カギは「立憲主義」であるが、倉田氏が100%
分かってないし、それが大勢だから危うい。
だが、今の段階で「ワクチンを強制的に打たされる」
と煽ると、「陰謀論」に嵌まったと思われかねない。
慎重に真実を伝えることが信用を勝ち取ることになる。

わしは「個人主義」であり、「世間主義」には
埋没しない。
間違っていたら謝罪する勇気もある。
「一枚岩」になる必要はない。
日本人は「世間教」で、議論が出来ないから、
コロナ禍は終わらない。
井上氏がしつこく勧める「コロナ論6」は、
「日本人論」として描くなら、意義があるかも
しれない。

 

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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